アミカもこんな仕事がいただけるようになったのかと感慨ひとしお。
まだ学生の20歳から色の勉強を始め、26歳でamicaを立ち上げました。
「カラーコーディネーターが何ぼのもんじゃい。」と大阪の建築家に
叱咤激励をされてから早いもので10年。
昨年末、高島屋スペースクリエイツの池田様、後藤様にお声掛けを頂き、
サミットメイン会場の壁仕上げのご依頼をいただきました。
デザイナーの池田様は「艶やかなブラウン」をご希望でした。
年明け早々、「艶やかなブラウン」を探しに一路ドイツへ。
仕事の内容が内容ですから、関係者は守秘義務を持たされていましたので
秘密裏に動かねばなりません。
amicaにとっては大舞台。いやいや菊地家(旧姓)にとっても大舞台
ご先祖様もさぞかし喜んで下さっていることでしょう
なんと言っても世界に配信される壁ですし、世界で一社しか携われないわけですから。
ドイツへはドキドキワクワクしながら行って参りましたが、
楽しいだけではなく、池田様にご満足頂ける色彩を提案出来るかどうか
不安で、緊張の連続でした。
ドイツ語通訳の方と田舎町から沢山のサンプルを抱えてミュンヘンへ
帰って来るときは二人とも緊張と、ようやくサンプルを手に入れた安堵感で
くたくたでした。
帰国してから提案した内容は7種類。
採用の決定を頂くまで更に3ヶ月が過ぎましたので、
ずーっと落ち着かない日々が続きました。
決定のお話を頂いた時はようやく肩の力が抜け、スタッフと両手を挙げて喜びました。
でもここからが、大変。
皆様もお気づきでしょうが、福田首相他、各国首脳陣をお守りしている
壁の一体どこに艶やかなブラウンが?
そうなんです。実は外務省や他の関係もあり急遽アイボリーに変更になったのです。
ブラウンに塗り上げてから数日後の事でしたので、東京で変更の連絡を受けた私は
思わずその場にしゃがみこみました。
職人さんたちも初めての材料で緊張しながら、しかも短期間で懸命に施工してくれたので、アイボリーに変更するお話をする時は残念な気持ちで一杯でした。
その中のお一人山崎塗装店の玉田さんは疲労で体調不良が続き、その後のお仕事にも
支障が出たほど。本当に恐縮でした。
ブラウンの主役達(中央玉田さん)
さて、ブラウンから変更になったアイボリーですが、もちろんただの
アイボリーじゃありませんよ。
アミカイチオシのホタテの貝殻とフランスの天然の土を混ぜて作ったアイボリーです。
このアイボリー、山本寛斎さんのシビアなご指示をクリアしたアイボリーなんです。
http://www.kansai-inc.co.jp/news/index.html
テレビでは質感も色合いも伝わりにくいと思いますが。
ホタテの貝殻はセラミックス化したもので、除菌、消臭効果がとっても高いのです。
その機能性が買われて、ブラウンにも噴火湾で取れたホタテのセラミックスが
入っていました。この時のために新しく開発された材料でもあります。
サミットで日の目を見なかったブラウン。
実はもう一度塗りなおすんですよ〜。来週から施工予定です。
今回のサミットに関しては開催自体、また内容自体、様々なご意見があると思います。
でも開催が決定している以上、誰かが施工するわけですから、
だったらせめて私達が出来ること、この会場でいい話し合いがなされますように、と祈りを込めて仕上げよう、そんな気持ちで取り組みました。
今回も沢山の方に支えていただいて、一つの仕事を終えることが出来ました。
英語の通訳をしてくださった廣田温子さんには年末からずっと無理難題に
対応していただきました。温子さんはインターナショナルメディアセンターでも
通訳をされていました。的確でとても素晴らしい尊敬の出来る女性です。
函館エコネクストネット株式会社の大槻社長や恒央さんにはお忙しい中、
新しいチャフバインダーの開発で大変お世話になりました。
施工を引き受けて下さいました、株式会社内山の内山社長を始め、長浜クロス様、ワークエイド様、そして何よりも今回の花形である塗装職人さん、山崎塗装店の山崎社長、伊藤塗工部の皆様本当にありがとうございました。
そして一番の感謝は高島屋スペースクリエイツの菊池所長様、池田様、後藤様。
お声掛け下さいまして本当に有難うございました。
心より感謝申し上げます。